昼食のあとに強い眠気を感じて、「少しだけ横になりたい」と思うことはありませんか。昼寝は上手に取り入れれば日中の休息になりますが、長く眠りすぎたり、夕方以降まで寝てしまったりすると、夜の睡眠に影響することがあります。
大切なのは、「昼寝は良い・悪い」と一律に考えるのではなく、夜の睡眠を邪魔しない範囲で自分に合った取り方を見つけることです。ここでは、昼寝と夜の睡眠の関係、昼寝をするときのポイント、避けたい習慣をわかりやすく紹介します。
昼寝をすると夜眠れなくなるの?
日中に長く眠ると、その分だけ夜までにたまる眠気が弱くなり、寝つきにくくなることがあります。特に、夕方以降の長い昼寝は、普段の就寝時刻になっても眠気を感じにくくする原因になり得ます。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、高齢者について、長い昼寝は夜間の良い睡眠を妨げるため、日中の長時間の昼寝を避けて活動的に過ごすことが勧められています。必要な睡眠の量や昼寝の影響には個人差があるため、夜の寝つきや翌朝の目覚めも確認しながら調整しましょう。
昼寝をするなら意識したい4つのポイント
1.長時間眠り続けない
昼寝が長くなるほど、夜の睡眠に影響しやすくなります。特に高齢者では、厚生労働省の睡眠ガイド作成過程でも、昼寝は30分未満程度に抑える考え方が示されています。
「少し休むつもりが2時間寝てしまった」ということが多い方は、目覚ましを使う、ベッドではなく椅子やソファで休むなど、長時間の睡眠になりにくい工夫をしてみましょう。
2.遅い時間の昼寝を避ける
夕方や夜に近い時間まで眠ると、夜の就寝時刻に必要な眠気が弱くなることがあります。昼寝をするなら、夜の睡眠に近づきすぎない時間帯に取り入れる方が無難です。
昼食後に眠気を感じる場合は、そのタイミングで短く休み、夕方以降はできるだけ起きて活動するようにしてみましょう。
3.目覚めたら光を浴びて体を動かす
昼寝のあともぼんやりした感じが残るときは、カーテンを開けて明るい場所へ移動したり、軽く歩いたり、ストレッチをしたりして体を目覚めさせましょう。
日中に明るい光を浴びて活動的に過ごすことは、昼と夜のメリハリをつけるうえでも役立ちます。
4.「昼寝をしないと持たない」状態が続くなら原因も考える
たまに昼寝をしたくなる程度なら珍しいことではありません。しかし、毎日十分に寝ているはずなのに日中の強い眠気が続く、仕事中や運転中にも眠ってしまいそうになる、といった場合は注意が必要です。
夜間の睡眠不足だけでなく、睡眠時無呼吸などの睡眠障害や、ほかの病気・薬の影響が関係している可能性もあります。生活に支障が出るほどの眠気が続く場合は、医療機関に相談しましょう。
こんな昼寝の仕方は見直してみよう
休日に何時間も昼寝する
平日の睡眠不足を補おうとして、休日の午後に何時間も眠ると、夜になって眠れず、翌朝も起きにくくなることがあります。睡眠不足が続いている場合は、昼寝だけで調整するのではなく、夜の睡眠時間そのものを確保できないか見直してみましょう。
夕食後にそのまま寝てしまう
夕食後にソファで長く眠り、そのあと深夜になってから布団に入る習慣が続くと、睡眠のリズムが不規則になりやすくなります。眠くなった場合でも、いつもの就寝時刻との関係を考えて過ごしましょう。
昼寝のために夜の睡眠を削る
「昼に寝ればいいから」と夜更かしするのはおすすめできません。成人では、厚生労働省は個人差を踏まえつつ、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保することを勧めています。昼寝は、夜の睡眠を置き換えるものではなく、必要に応じて補助的に取り入れるものと考えるとよいでしょう。
睡眠全体の生活習慣も見直したい方は、質の良い睡眠を手に入れるには?今夜からできる快眠習慣7つもあわせて参考にしてください。
昼寝をしても夜眠れないときは?
まず数日から1週間ほど、昼寝をした時間と長さ、夜に布団へ入った時刻、寝つきの状態を簡単に記録してみましょう。「夕方に昼寝した日は寝つきにくい」「長く昼寝した日は夜中まで眠くならない」など、自分なりの傾向が見えてくることがあります。
昼寝を短くしたり、遅い時間の昼寝をやめたりしても眠れない状態が続く場合は、昼寝だけが原因とは限りません。寝室環境、カフェインや飲酒、運動量、ストレスなども含めて見直すことが大切です。
よくある質問
Q1.昼寝は何分までなら大丈夫ですか?
全員に共通する「正解の時間」があるわけではありません。一般には夜の睡眠に影響しない短い休息にとどめることがポイントです。特に高齢者では、長い昼寝を避けることが厚生労働省の睡眠ガイドで勧められています。昼寝後に夜の寝つきが悪くなる場合は、時間をさらに短くしてみましょう。
Q2.昼寝をしない方が健康に良いのでしょうか?
昼寝を一律に避ける必要はありません。重要なのは、昼寝によって夜の睡眠が妨げられていないか、日中の生活に支障がないかを見ることです。必要に応じて短く休み、夜の睡眠を優先しましょう。
Q3.休日の寝だめの代わりに昼寝してもいいですか?
一時的な休息にはなりますが、慢性的な睡眠不足を昼寝だけで補うのは難しいと考えられます。まずは普段の就寝・起床時刻や夜の睡眠時間を見直し、必要な睡眠時間を確保することが基本です。
まとめ
昼寝は、取り方によっては日中の休息になりますが、長時間の昼寝や遅い時間の昼寝は夜の睡眠を妨げることがあります。短い休息にとどめ、夕方以降はできるだけ活動し、夜の睡眠を優先することが基本です。
昼寝を調整しても強い眠気や睡眠の不調が続く場合は、単なる寝不足と決めつけず、必要に応じて専門家に相談してください。
参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」